都会暮らしの人は、田舎の生活に憧れを持つ人も多いでしょう。
人ごみや騒音から離れて、自然の中でゆっくりと過ごしてみたいですよね。
しかし、移住する場合は「住居費用はいくらかかる?」「新しい仕事は見つかるの?」と不安も出てきます。
そこで、今回は田舎移住で利用できる支援内容をまとめてみました。
各自治体ごとに魅力的な支援があるので、ぜひ移住の参考にしてください。
目次
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記事を読むポイント
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住まいの支援
田舎へ移住する際は、住まいをどうするのかを一番に考えなければなりません。
そこで、移住者限定で受けられる支援内容を紹介していきます。
地域担い手づくり支援住宅 (宮城県七ヶ宿町)
宮城県で一番人口が少ない町、七ヶ宿町では家と土地を無償で貰える支援があります。
移住開始から19年目までは、家賃を支払い生活をします。
そして、20年後以降は家と土地が無償で自分の物となる制度なんです。
住まいは木造2階建てで、間取りは入居決定後に設計業者との打合せにより確定します。
対象の移住者 | 1~19年目 | 20年目~ |
---|---|---|
40歳以下の夫婦で、 中学生以下の子どもがいる家族 | 敷金:117,000円(家賃の3カ月分) 家賃:39,000円 | 土地と家が無償で貰える |
参考元:「住みたい」を応援 | 七ヶ宿町定住のススメ[宮城県七ヶ宿町]
赤井川村移住・定住支援事業(北海道赤井川村)
北海道赤井川村では、10年以上居住する方に対して、300万円の住宅建設資金を支援しています。
さらに、新築住宅を建設後の3年間は、固定資産税が半額になる優遇措置もあります。
また、赤井川村には小中学生の子どもに対して、凄い支援があるんです。
- 小・中学生のキロロスキー場のシーズン券が無料
- 小・中学生は給食費が無料
- 小・中学生は医療費が無料
- 中学生は10日間の海外研修授業が無料
子育てしやすく、大自然に囲まれている赤井川村は移住希望者にとって魅力的ですね。
移住者向けの家賃補助制度(新潟県燕市)
新潟県燕市では、月最大15,000円の補助が最長24か月受けられる制度があります。
【対象者】
- 新婚世帯移住者
- U・Iターン者
- テレワーカー
また、テレワーカーの場合は、所属する事業者への交通費を最大48万円補助してくれます。
ただし、新潟県外から燕市に転入して、新潟県内でテレワーク勤務する方が対象です。
参考元:移住者向けの家賃補助制度(燕市移住者住宅支援事業補助金)
家賃補助(香川県各市町)
香川県では、全ての市と町で家賃・賃貸借に係る経費の補助を行っています。
家賃は月最大20,000円を12か月、賃貸借に係る経費は最大60,000円まで補助対象です。
他にも、若者の住宅取得に係る補助や、空き家リフォーム補助などの支援もおこなっています。
空き家バンク(各自治体と民間)
空き家バンクとは、空き家を所有している人が各自治体のサイトに情報を登録し、希望者に物件を紹介する制度です。
中古物件ですが、格安の住宅が手に入り、地域によってはリフォームの補助金を出してくれるところもあります。
また土地と建物が無料で手に入る「0円空き家バンク」もあり、住宅費用を格段に安く済ませることも可能です。
仕事の支援
リモートワークでなければ、移住と共に仕事を変える必要が出てきます。
そこで、移住者の転職や起業に関する支援内容を紹介していきます。
地方創生起業支援事業(地方創生推進事務局)
地方創生起業支援事業は、起業支援金(最大200万円)と移住支援金(最大100万円)の最大300万円が支援される制度です。
国が行う施策で、地方での起業や東京圏からUIJターンにより起業・就業をする方を支援対象としています。
移住支援金 | 単身:最大60万円 世帯:最大100万円 | 地方公共団体がマッチング支援の対象とした 「ふるさと求人」で就職をするために移住した場合に支援する制度 |
起業支援金 | 最大200万円 | 東京圏以外の道府県又は東京圏内の条件不利地域において 社会的事業の起業を行うことで経費の1/2を支援する制度 |
地域おこし協力隊(総務省)
地域おこし協力隊とは、地方の活性化や課題解決のために活動する移住者のことです。
任期は約1〜3年間で、地域の情報発信やイベントの企画・運営などをおこないます。
移住地の魅力を伝えながらお給料を得ることができるので、とてもやりがいのある仕事です。
津市ふるさと就職新生活応援奨励金(三重県津市)
三重県津市では、津市の企業へ就職が決まった移住者を支援する制度があります。
1人あたり5万円の支給なので、夫婦で条件を満たせば10万円の支援を受けることが可能です。
【対象者】
- 市外に住んでいて、津市の企業へ就職が決まった
- 就職に伴い、津市へ移住する
- 雇用期間の定めが無いか、1年以上の雇用をされる
- 1週間の所定労働時間が30時間以上
【支援額】
- 1人あたり5万円
参考元:津市 – 津市ふるさと就職新生活応援奨励金(UIJターン促進事業)のご案内
UIターンしまね産業体験制度
島根県では、UIターンをおこない、下記の産業を体験する場合に滞在費用の支援を行う制度があります。
また、中学生以下の子どもを連れて、体験をする際は追加で子連れ助成が受けられます。
対象職種 | 助成期間 | 助成金額 | 親子連れ助成 |
---|---|---|---|
農業 林業 漁業 伝統工芸 介護分野 | 3か月~1年 | 月額:12万円/人 | 月額:3万円 (中学生以下/1世帯につき) |
参考元:産業体験【制度概要】|しまねのUIターン産業体験【くらしまねっと】しまね移住情報ポータルサイト
起業支援および空き店舗対策事業(静岡県伊東市)
伊東市の市内商業の活性化を図るため、営利目的とする事業での起業と商店街の空き店舗での起業を支援する制度です。
対象となるのは、開業経験の無い人が新たに事業を営む場合に限定されています。
【補助対象経費】
- 店舗のリフォーム費用
- 什器の購入費用(単価1万円以上のもの。消耗品、リースを除く。)
- 広告宣伝費(開店の前後1か月)
【補助額】
- 移住者の起業の場合:最大100万円
- 移住者で若者の場合:最大200万円
生活費の支援
引っ越し費用や新しく購入する家具など、移住は出費がかさむものです。
そこで、移住者への生活費支援を紹介していきます。
北海道移住応援カード(北海道各市町村)
北海道では、移住者が各種サービスの割引やサポートを受けることができる「北海道移住応援カード」を提供しています。
割引サービスは、引っ越し基本料金が30%割引や、住宅の仲介手数料が20%割引など移住の前後で役立つ内容です。
割引対象になるのは、北海道移住応援企業に登録している事業者のサービスに限定されます。
カードの作成は無料で、発行から3年間利用することが可能です。
【割引サービス】
- レンタカー割引
- 引っ越し料金割引
- 各種ローン金利優遇
- 住まい(賃貸)割引
- 仕事(求人)
- 自動車教習所料金割引 など
さが暮らしスタート支援事業(佐賀県各市町)
佐賀県では、49歳以下の方が移住した際に要件を満たすことで、最大100万円の移住支援金が受け取れます。
ただし、支援をおこなっているのは、下記の15市町です。
【移住支援金の額】
- 単身の場合:60万円
- 世代の場合:100万円
【移住支援金実施市町】
佐賀市、唐津市、鳥栖市、多久市、伊万里市、武雄市、鹿島市、小城市、嬉野市、神埼市、基山町、有田町、大町町、白石町、太良町
※対象市町は随時追加予定
参考元:さが暮らしスタート支援事業を実施しています ~全国から佐賀へ移住を考えられている方へ~ / 佐賀県
新生活応援補助金(静岡県伊豆の国市)
移住を検討している40歳未満の夫婦または小学生以下の子どものいる家族が、静岡県外から伊豆の国市へ移住し、定住しようとする場合に、住居費および引越費用の一部を交付します。
【補助金額】
- 若年世帯……10万円
- 子育て世帯……20万円
(両方にあてはまる場合、子育て世帯の額)
【対象経費】
- 住居費
- 引越費用
参考元:伊豆の国市/新生活応援補助金
最大50万円の出産祝い金(長野県泰阜村)
長野県泰阜村では『ひとねる条例』という、若者の人口増加を図る条例が施行されています。
『ひとねる』とは、泰阜村の方言で「育てる」という意味があります。
住宅取得や結婚祝金など様々な生活支援がありますが、中でも出産祝い金の支援が手厚いのが魅力です。
【助成金額】
- 1人目:10万円
- 2人目:20万円
- 3人目以降:50万円
田舎の生活コスト
田舎生活だと生活費が安くなるイメージの方も多いでしょう、
しかし、光熱費や交通費などは高くなる場合があるので注意が必要です。
ここでは、生活費のシミュレーションと費用の変化が現れやすいポイントを紹介します。
田舎暮らしの生活シミュレーション
実際に田舎暮らしをした際の生活費は気になりますよね?
そこで、移住 生活費シミュレーション@北海道を使用して、生活費のシミュレーションをしていきます。
【移住前の生活状況】
- 移住前:東京都在住
- 家族構成:4人家族(夫婦+子ども2人)
- 移住先:北海道恵庭市
項目 | 移住前 | 移住後 | 差額 |
---|---|---|---|
食費 | 81,314円 | 70,208円 | -11,106円 |
家賃 | 180,000円 | 58,000円 | -122,000円 |
光熱・水道 | 21,541円 | 27,637円 | +6,096円 |
家具・家事用品 | 13,356円 | 10,580円 | -2,776円 |
被服及び履物 | 9,456円 | 8,492円 | -964円 |
保健医療 | 15,451円 | 13,168円 | -2,283円 |
交通・通信 | 38,909円 | 39,298円 | +389円 |
教育 | 13,646円 | 5,775円 | -7,871円 |
教養娯楽 | 27,092円 | 22,471円 | -4,621円 |
参考元:移住 生活費シミュレーション@北海道 | 北海道の人、暮らし、仕事。 くらしごと
住宅費用
都会と田舎の生活費で、もっとも差が出やすいのは住居費用です。
例えば、東京都大田区の3LDKの家賃相場は23.2万円ですが、北海道恵庭市だと3LDKで8.8万円です。
また、田舎は土地が安いので、移住と同時に戸建てに住んでみるのも良いでしょう。
参考元:【SUUMO】東京都大田区(東京都)の賃貸マンション家賃相場・賃料相場
参考元:【SUUMO】恵庭市(北海道)の賃貸マンション家賃相場・賃料相場
食費
田舎は野菜や魚など、食材が安い地域が多いです。
田舎のスーパーでは、野菜1つの値段が都会の半分以下というのも珍しくありません。
安く提供できるのは、地元で取れたものを直送で販売していたり、店の運営費が安く済むからです。
安くて新鮮な食材で、田舎の食生活を楽しみましょう。
光熱費
光熱費は、田舎暮らしをすると、都会での生活より高くなる可能性があります。
寒い地域に引っ越すことで暖房の使用頻度が上がったり、都市ガスからプロパンガスに切り替わることが要因です。
電気代が高い時期であれば、1ヶ月で10,000円以上負担が増えることもあるので、事前に理解しておきましょう。
おすすめの移住スポット
ここまで移住支援の内容を紹介してきましたが、その中でもおすすめの移住スポットを紹介していきます。
移住候補地が決まっていない方は、ぜひ参考にしてみてください。
北海道赤井川村
住宅費用の補助と小中学生の子どもに対しての手厚い支援が魅力です。
スキー場の無料券があったり、海外研修授業が無料など、お子さんにとっても嬉しいことですよね。
大自然の中で子育てをしたい人にとって、赤井川村はおススメの移住地です。
宮城県七ヶ宿町
20年間住むことで、家と土地が貰える移住者支援はとても魅力的です。
生活費の中でも住宅ローンの返済は、かなりのウェイトを占めています。
また、戸建てを購入する際は、通常35年ローンを組む人が多いでしょう。
15年もローンが早く終わることで、子どもが大きくても家計が楽になります。
島根県松江市
「農業をやってみたい」という思いで、田舎暮らしを選択する人もいるでしょう。
農業希望者にとっては、生活費の支援を受けながら、知識や技術を身に付けることができる理想のエリアです。
市町村によっては、上乗せ助成を実施しており、松江市では家賃補助を受けられます。
また、松江市は島根県の県庁所在で、利便性も良いエリアです。
まとめ
今回は、田舎暮らしの支援制度を紹介しました。
おすすめの移住スポットでも、紹介したように支援が充実した魅力的なエリアがあります。
移住の際には、上記の制度を上手く利用することで、出費を大きく減らすことが可能です。
ただし、各自治体の支援内容は、期限や予算が決められています。
移住を考えている方は、最新の情報を確認してから計画するようにしましょう。
また、田舎での生活がスタートして、後悔しないためにも田舎の生活コストを参考に計画を立てるようにしましょう。
支援制度を上手く活用して、ぜひ憧れの田舎暮らしを成功させてください。